306,成功する小売業のキーワードは「システム連携」

2006/05/05

こんにちは、坂口昌章です。
成功か否かは商品ではなくシステムで決まる。ガビーン。
誰が認めなくても、私は現在でも自分を商品企画の専門家として認識してい
ます。そんな私にとって、自分で言ったことに自分で衝撃を受けてしまいま
す。

前号でご紹介したセミナーについて下記の通り、お知らせします。皆さんも
衝撃を受けてください。尚、受講料は、な、な、なんと無料とのことです。
今すぐ、申し込みましょう。


==ファッションアパレルフォーラム 2006==

日時:5月31日(水) 13:30〜17:30(13:00受付開始)
会場:ジャフコホール(JR東京駅 八重洲北口 徒歩3分)
対象:ファッションアパレル企業様
定員:100名
主催:株式会社ウェブベース

◆基調講演  【情報化で変わる中小アパレル企業のビジネスモデル】
 ・システム化はSPA企業の成功条件
 ・[雑誌メディア戦略]と[メール&ブログメディア戦略]
講師:坂口昌章(東レ経営研究所客員研究員 シナジープランニング代表)

◆特別講演  【顧客は突然いなくなる!?】
大井 啓伊様
(株式会社ミリオネット 代表取締役 CRM協議会九州支部 支部長)

◆特別講演  【ネット時代の商品企画におけるネットリサーチ活用 】
田嶋 健様
(株式会社アールワークス 執行役員システムエンジニア事業部 部長)

●ネット申し込み: www.web-base.co.jp/seminar/
 お問合せ:06−6849−8080 担当:伊織・山田

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成功する小売業のキーワードは「システム連携」

小売店は、「食料品店」「衣料品店」「インテリア用品店」等のように扱い
商品別に分類されている。小売店を営むには、それぞれの扱い商品の仕入先
とのパイプ、扱い商品の専門知識が必要だ。素人が小売店を開こうと思って
も、そうは「問屋が卸さない」のである。しかし、こうした業界の常識も過
去のものになりつつある。

問屋を中心とした信用取引ではなく、オープンな現金取引が増えつつある。
資金さえあれば、誰でも小売店を経営することが可能だ。ここで最も悩むの
は、どんな商品を扱うかだろう。魅力的な商品を集めることができれば、店
も繁盛する。「問題は商品である」という事実は揺るがない。

その一方で、良い商品を揃えている店が潰れるケースも多い。これはメーカ
ーも同様であり、良い商品を生産しているメーカーや、良い商品を生産でき
る技術を持った企業が潰れているのである。商品は大切だが、商品がビジネ
スの成功条件であるとは言い難いのである。

成功している小売店を見ると、その多くはシステム化している。バーコード
による単品管理を行い、売上データはネット回線を通じて瞬時に本部に集約
される。また、仕入先や物流センターとも、情報共有化が進み、伝票レス、
自動補充等を可能にしている例も多い。

コンビニはシステム化した業態の典型である。コンビニでは、公共料金の徴
収業務、宅配の受付、チケット等の購入、通販商品の受け渡し業務など、業
務が多角化しているが、これらは情報システム連携により、情報処理と決済
処理が可能になったことで広がったサービスである。商品からの発想ではな
く、システムからビジネスチャンスが生まれたのである。

百貨店と量販店を比べると、量販店の方がシステム化が進んでいる。通常の
品揃え専門店よりも、SPA業態のショップの方がシステム化が進んでいる。
町の床屋よりも、1000円床屋のQBハウスの方がシステム化が進んでい
る。町の古本屋よりも、ブックオフの方がシステム化が進んでいる。

成功している小売店は、扱い商品で成功しているのではなく、システム化に
より成功しているのではないか、という仮説も考えられるのだ。

良い商品を仕入れるには、経験豊富なバイヤーが不可欠である。しかし、一
人のバイヤーが担当する商品は限られている。仕入れ能力、MD能力を高め
るには、なるべく多くの実績を分析し、予測し、検証することである。10
店舗を統括しているバイヤーよりも、100店舗を統括しているバイヤーの
方が情報量は多い。また、月単位で売上を集計しているバイヤーよりも、リ
アルタイムで売上を把握しているバイヤーの方が市場の動きを把握できるは
ずだ。システム化することで、一人の人間が扱える情報量を飛躍的に高めて
くれる。また、コンピュータを活用することで業務の自動化が可能になる。

たとえば、ファッション専門店が売上を上げるには、どういう方法が考えら
れるのか?まず入店客数を増やすことである。十分な広告宣伝費がかけられ
ればいいが、そうでない場合は直接顧客にアプローチすることになるだろう。

電話や手書きのハガキという手段は、人の温もりが伝わるので効果的だが、
効率が悪い。顧客管理システムと連携したメール作成、メール送信システム
があれば、一度に数百人、数千人にメールを送信できる。日常的に携帯メー
ルを使っている人ならば、電話やハガキよりも携帯メールの方が身近に感じ
るだろう。新作商品の画像を簡単なコメント付きで携帯に送信すれば、低コ
ストで来店を促すことができる。これだけでも、システム化している場合と
そうでない場合では、大きな格差ができるはずだ。

加えて、店間移動や自動補充をシステム化すれば、店長や販売スタッフは指
示通りに商品を処理するだけで、消化率が確実に上るはずである。

以上は、自社内のシステム化に限定した話である。前号に述べたように、仕
入先とのシステム連携が可能になれば、更なる効率化とビジネスプロセスの
進化が可能になる。それについては、次号で。


執筆担当:
有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ )
( http://j-fashion.cocolog-nifty.com/ )
代表 坂口昌章
文化服装学院客員教授
ジャパンクリエーション・総合コーディネーター
文化女子大学特別講義講師 他歴任