302,「国際化とは際をなくすこと」 2006/03/10
最近のファッション産業活性策に危惧を感じています。ビジネスとは自由な =================================== 「国際化とは際をなくすこと」 日本企業は海外に進出しても、日本ばかり向いていると言われる。現地採用 のスタッフを要職につけず、常に日本人が管理職を独占するとも。 国際化とは、国の際をなくすことである。国の際をなくせば、輸出も輸入も 関係ない。日本で生産して日本で販売するビジネス。日本で生産して欧米で 販売するビジネス。中国で生産して日本で販売するビジネス。中国で生産し て中国で販売するビジネス。どれでもいいのだ。自社のビジョンと資源を考 え、意志決定すればいい。 日本のメーカーの生き残り策にもいろいろある。得意先を海外に広げて、輸 出するビジネス。あるいは、海外に進出して日本に輸入するビジネス。どち らが正しいわけでもない。適地適品を選べばいいのだ。 雇用も同様である。何人でも能力があれば採用すればいいし、実力や実績に 見合った給料を支払えばいい。中国人だから給料は安くていいとか、日本人 だから高くなければ駄目だというのは国際的ではない。国際的でない企業は、 国際的な企業との競争力に劣る。なるべく手かせ足かせは外して、自在にビ ジネスを展開すべきではないか。 日本の展示会に世界中のバイヤーを呼びたい、と考える業界人は多い。最も 良い方法は、海外の出展者を認める国際展示会にすることだろう。海外の出 展者を認めることで、海外のマスコミもその展示会を取り上げる。「海外の バイヤーをアゴ足つきで呼べばいい」という意見もあるが、アゴ足をつけた からといって、忙しいバイヤーが来るはずもない。アゴ足つきで呼べるのは、 ビジネス能力のない暇人に決まっているではないか。 海外に出展はするが、海外からの出展は認めない。これが国際的な態度であ るわけがない。国粋的な態度であり、国際人が最も嫌う考え方である。国際 的な企業は出展を取りやめ、海外の国際見本市に活動の場を移すに違いない のだ。 ビジネスとはコミュニケーションであり、双方向の行為である。一方通行は あり得ないし、片方だけが利益を独占することもあり得ない。そういう考え 方は、ビジネスマンのものではない。ビジネスを否定するものだ。 市場原理はビジネスの基本である。自由もビジネスの基本である。需要と供 給のバランスで価格が決定するのもビジネスの基本である。恣意的な市場コ ントロールはビジネスを阻害するものなのだ。どちらかを勝たせようとして も、そうはいかない。市場原理で勝者と敗者が決まるのである。 私は、見本市や展示会というビジネスマッチングの装置は、常に客観的であ るべきと考えている。取引の自由を守り、健全な市場原理が機能するように しなければならない。公平な審判がいる試合にこそ、一流のプレイヤーが集 まるのだ。 日本人デザイナーがパリを目指したのも、パリコレという舞台が健全な批評 機能を有しているという要因が大きい。ムラ社会のお友達評論家に褒められ たところでどんな意味があるというのだろう。厳しさと公平性があるからこ そ、国際的な舞台となるのだ。 最近、日本の繊維業界は過保護になっていないだろうか。日本企業に良かれ と思って実践している助成が、実は日本企業の国際化を阻害してはいないだ ろうか。もっと厳しく、もっと自由なビジネス環境を創造することが、日本 企業を国際化に導くことになるのではないだろうか。 執筆担当: 有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ ) ( http://j-fashion.cocolog-nifty.com/ ) 代表 坂口昌章 文化服装学院客員教授 ジャパンクリエーション・総合コーディネーター 文化女子大学特別講義講師 他歴任 |
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