301,「日本」ブランドのプロモーション

2006/02/24

みなさん、こんにちは。坂口昌章です。
久しぶりに中国の話題です。2月15日、上海から、友人の方涛さんを招き、
東レ経営研究所主催の中国繊維ファッションビジネス研究会を開催しました。
さすがに、現場で仕事をしているだけあり、説得力のある話が聞けました。
特に、韓国と日本の比較は、分かっていたようでも、やはりショックでした。
日本の短絡的なビジネスへの取り組みは、危ないです。もう少し、大人にな
らなければ・・・。


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「日本」ブランドのプロモーション

中国市場では、日本レベルの「安くて良い製品」であっても売れない。ブラ
ンドの商品の信用を保証するものであり、ブランド認知度を高める必要があ
る。そのために、段階的なブランド戦略が必要になる。

まず、国単位のブランドプロモーションである。韓流人気は韓国のブランド
価値を高める役割を果たした。韓国の芸能人への憧れは、韓国ブランドへの
憧れとなり、韓国商品への好感度につながっている。

同様に、中国消費者に対し「日本」「JAPAN」の良いイメージを持って
もらうことが大切である。10年前は、日本マニアの哈日族が存在し、日本
人アイドルが人気を集めていたが、現在はそれらがすべて韓流に置き換わっ
ている。上海の迅馳品牌伝播によると、中国消費者は日本ブランドに対して
は「品質」「精巧」というイメージを、韓国ブランドには「流行」「ファッ
ショナブル」というイメージを持っているという。このイメージの違いは、
実際の商品を比較したというよりも、韓流に対するイメージが強く影響して
いると考えられる。

日本で開催される展示会が中国からバイヤーを呼ぼうとしても、一方でビザ
の手続きが煩雑だったり、空港で指紋採取が義務づけられたのでは、日本が
中国人の入国を嫌がっていると受け取られてもしかたがない。一方で、韓国、
カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等では、国をあげて中国人観光
客を誘致しようとしている。

企業レベルの活動においても、ビジネス以前にやるべきことは多い。たとえ
ば、中国進出企業による地元への貢献である。

韓国のビジネスマンは家族と共に中国に赴任する。子供が学校に通えば、中
国人とコミュニケーションを持つことになる。また、居住地も中国人と同じ
地域で生活すれば、住民同士の付き合いも生まれるだろう。あるいは、地域
ぐるみのボランティア活動に参加することも可能である。

日本のビジネスマンの多くは単身赴任である。奥さんと子供は日本におり、
地元との接点は限られている。しかも、日本人居住地域とでもいうべき高級
住宅街にまとまって生活するのが一般的である。中国社会とは隔離された環
境で生活しているのである。こうした問題点を解決するだけで、どんなに日
本企業のイメージが向上するだろうか。

また、日本にいても、中国人留学生を支援することは可能である。中国人留
学生は、アルバイトをしながらの苦学生が多い。アルバイト先で差別され、
アパート探しで嫌な思いをして、帰国する頃にはたっぷりと反日感情を抱え
てしまう学生も多いのである。

日本企業が彼らを支援すれば、彼らが帰国してから口コミで親切な日本企業
というイメージが伝わるに違いない。

こうしたことを何もしないで、「ビジネスをしたい」「商品を売りたい」と
言っても、成功するはずはない。こうした、個々の企業ではできないビジネ
スの環境整備は誰が行うべきなのか。残念ながら、現在の日本ではその役割
を果たすところは見当たらない。


執筆担当:
有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ )
( http://j-fashion.cocolog-nifty.com/ )
代表 坂口昌章
文化服装学院客員教授
ジャパンクリエーション・総合コーディネーター
文化女子大学特別講義講師 他歴任