269,「日本のファッションからアジアのファッションへ」

2005/03/04

みなさん、こんにちは。坂口昌章です。
これは私の所信表明です。日本スケールからアジアスケールへの脱皮です。
ご理解のほど、よろしく。



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「日本のファッションからアジアのファッションへ」

ファッションは文化の反映だ。ヨーロッパの文化が世界に広がるにつれ、ヨ
ーロッパのファッションが広がる。独自の民族衣装を脱ぎ捨ててヨーロッパ
の服を着る。それが「文化的な行為である」と考えるのだ。

洋服はヨーロッパがルーツだから、ヨーロッパのブランドや製品が正当と考
えるのも間違いではない。しかし、ヨーロッパの価値観だけを認めるという
のは、アジア人にとって幸せなことだろうか。

アジアのファッションビジネスを育てることは、アジア独自の価値観を認め
ることから始まる。欧米崇拝を改め、独自の文化を見直し、西のファッショ
ンとは異なる東のファッションを創造するのである。

私は日本人なので、日本にその中核としての役割を担って欲しいと考えてい
た。日本にはヨーロッパとは異なるテキスタイル技術も存在する。独自の美
意識も存在する。しかし、肝心のファッション業界には西欧崇拝主義者が多
いのだ。また、売れて儲かればいい、という考え方が支配的であり、独自の
文化を創造しようという発想に欠けている。製造業の人たちも自分のことを
考えるのに精一杯であり、閉鎖的な考えが支配的だ。こうした現状を見てい
ると、「日本にアジアファッションの中核を担って欲しい」という私の夢は
しぼんでいく。

私が日本の産地を応援しているのは、こうした夢があるからだ。私は公務員
ではないから、とにかく日本の産業を守らなければならないという考えは持
っていない。自分の夢に共感してくれる人や企業があれば国籍は関係ない。
自分さえ良ければいいという人とは、相手が日本人だろうと中国人だろうと
仕事をしたくない。仕事とはそんなものではないだろうか。

私は再度、アジアスケールで自分の夢を考えたいと思っている。日本の産地
ではなくアジアの産地。日本の産業ではなくてアジアの産業。日本の人材育
成ではなくアジアの人材育成。そして、日本のファッションではなくアジア
のファッションである。こうした考えに共感してくれる日本人が多数存在し
てくれたらとても嬉しい。そういう人達とアジアスケールのファッションビ
ジネスを考えたいと思う。


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