268,「大人げない国、日本」

05/02/25

皆さん、こんにちは。坂口昌章です。
突然ですが、今回からコラム形式(約900字)に変えたいと思います。こ
れまでは1年で1冊の単行本にまとめようということで、毎回原稿用紙6枚
を自らに課しておりました。年間約50週で300枚になるわけです。しか
し、メルマガとしては少し長いんですね。ですから、今度は短く軽い内容を
自らに課そうというわけです。

ということでコラム第一弾。今回はちっとも軽くないなぁ。


==================================

◆「大人げない国、日本」

スポーツに政治を持ち込むな。サッカーはサッカー、政治は政治ではないか。
そう主張するメディアも、自分の会社のこととなると、審判のユニフォーム
に書いてある新聞社の名前にクレームをつける。某テレビ局は、会社と対立
関係にある個人を番組から降板させ、収録済みの放送をお蔵入りさせた上で、
大真面目に放送の公共性を訴えた。

ソニーがコロンビア映画を買収した時には反対しないのに、外資が日本の放
送局の株式を所有するだけで大騒ぎする日本。そして、長年、政治と金の問
題を解決できない政党の派閥のボスが「何でも金で解決できる」という考え
について批判する日本。誰もが分かる矛盾を平然と押し通すこれらの人を見
ていると、つくづく日本は大人げない国だと思ってしまう。

問題が起きるといつも狼狽し醜態をさらす。まるで子供だ。大人なら事前に
問題を想定しておくべきだろう。また、問題が起きた時こそ、ユーモアのセ
ンスを忘れずに、冷静に対処する余裕も持つべきではないか。とにかく余裕
がない。そんなことも想定していなかったのか、と愕然とするばかりである。

イチロー、松井、中田が日本を飛び出すのは当然である。日本は実力主義で
はない。メディアも中立ではない。ジャーナリズムも育っていない。健全な
批評精神がない。常に、興味本位で感情的な取り上げ方をする。客観報道の
名の元に署名原稿も少ない。取材対象に対してはプライバシーまで侵害しな
がら、自分は匿名性に隠れているのだ。それが大人のやり方と言えるのだろ
うか。

ビジネスは、法律の元に展開されるゲームだ。その法律が十分に整備されて
いなければゲームもフェアではない。政治家はビジネスの一方だけを責めて、
ビジネスという競争を阻害してはならない。むしろ、健全な競争を促進する
ための法律整備に尽力するのが本来の仕事だろう。既得権保護だけでは日本
は大人の国になれない。


執筆担当:
有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ )
( http://j-fashion.cocolog-nifty.com/ )
代表 坂口昌章
文化服装学院客員教授
ジャパンクリエーション・総合コーディネーター
文化女子大学特別講義講師 他歴任