255,農業にファッションを

2004/11/19

みなさん、こんにちは。坂口昌章です。

今回は意欲的な内容。農業とファッションのコラボレーションがテーマです。
繊維分野の仕事が減っているなら、農業はどうだろう、というわけです。今
更、洋服のデザイナーでデビューするのも何だから、野菜のデザイナーにな
りたいな、と思うのですが、いかがでしょうか。地域興しにもなると思いま
す。

全国の明るい農村からのご連絡お待ちしています。


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◆農業にファッションを

農業とファッション。全く異質に感じる人が多いだろう。しかし、ブランド
米という言葉があるように、農業とてもファッションと無縁ではない。勿論、
水産業も林業も同様である。商品である以上ブランドは存在する。関サバ、
関アジは魚ブランドの中ではかなり上位に位置するはずである。

今回は、ファッション屋が農業を考えるとどうなるか、という実験をしてみ
たい。(そうすれば農業関係の仕事も来るかもしれないじゃな〜い)

まずブランドコンセプト、あるいは企画コンセプトが重要である。思いつく
ままにあげてみよう。「健康に良い」「安全」「ダイエット」「グルメ」
「オーガニック」「ガーデニング」「良薬口に苦し」「医食同源」「軽量小
型」「濃厚芳醇」・・・。

例えば、「ガーデニング」をブランドコンセプトにする。文字通り、自宅の
庭やベランダ等でガーデニングをしている人を対象にする。野菜と共に種苗
を販売するのがポイントである。店頭で販売していた野菜を食べて「美味し
ければ、自分で栽培してみましょう」というわけだ。こうした野菜を一つだ
け販売したのでは、単に商品開発で終わってしまう。ブランドというからに
は、同じコンセプトの商品を異なる地域から集めたい。それを共通のパッケ
ージと売場演出を行うのである。種苗を店頭で販売するのが困難であれば、
インターネット販売と連携しよう。インターネットならば、栽培の方法や肥
料の与え方も教えられる。土や肥料も商品として販売できるだろう。

「良薬口に苦し」というコンセプトでは、文字通り、味は悪いが栄養や効能
だけはやたらとあるという薬草に近い野菜のブランドにまとめる。青汁がこ
れだけ定着しているのに、野菜売場では青汁の原料が販売されていないのは
不親切ではなかろうか、という発想だ。葉物ばかりでなく、芋や豆にも栄養
はあるが味は今ひとつというものはあるだろう。それを共通パッケージとコ
ーナー展開によって販売するのである。

農ブランドは、まずコンセプトが重要であり、そのコンセプトに賛同する農
家のグループが必要であり、パッケージデザインや店頭演出プラン、展開し
てくれる小売店が必要である。最近では、道の駅等で農協が直営の売場を持
っているケースも多いので、地域密着のブランドも考えられる。

農産物もブランドになって、パッケージを研究すれば、ギフトになる。ギフ
トになれば、インターネットで全国に販売することも可能になるのだ。

農家の人は、我々にはない技術を持っていく。今回の事例を読んでも、すぐ
に「それならこういう品種がいいだろう」と思いつくはずである。しかし、
繊維産地の機屋と同じで、消費者サイドに立って、何を作るべきか、どのよ
うに販売するべきか、どのように広告宣伝を行えばいいのか、が分からない
のではないだろうか。それなら、ファッション屋と組めばいいじゃないか、
と思うのである。

私は、「医食同源」ばかりでなく、「衣食同源」も主張したい。食べ物を洋
服のように販売すれば、それはファッションになるのだから。輸入品との競
争に苦しんでいるのは、農作物ばかりではない。繊維製品も同様なのだ。繊
維製品がファッション製品に生まれ変わることで付加価値を獲得できるのだ
とすれば、農作物もファッション製品に生まれ変わるべきだろう。農業とフ
ァッションのコラボレーション。興味のある方は連絡くださいね。


執筆担当:
有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ )
( http://j-fashion.cocolog-nifty.com/ )
代表 坂口昌章
文化服装学院客員教授
ジャパンクリエーション・総合コーディネーター
文化女子大学特別講義講師 他歴任


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