247,若者よ、どうしてそんなに良い子なの? 2004/09/17
みなさん、こんにちは。坂口昌章です。 =================================== ◆若者よ、どうしてそんなに良い子なの? ファッション専門学校の学生に、夏休みの課題として以下のレポートを提出 させた。 「ビジネスの野望、プライベートな野望、社会的な野望」を具体的に上げよ。 それぞれの野望は何歳で達成しているか。それを実現するために、現在から そのゴール目標までを4つの段階に分けたら、それぞれの段階で何をすれば いいのか。また、それぞれの段階で必要な能力、他人の協力が必要であれば それはどんな人か。「法螺でもいいから、大きいことを書け」という条件を つけた。自分のビジョンを超えることは起きないのだから、まず大きなこと を考えないことには始まらないのだ。 課題の発表を聞いて、ある種、愕然とした。「何て良い子達なんだろう」と 涙がこぼれそうになった。でも、それはあまりにも世間を知らないからこそ の考え方なのだ。 まず、大多数が「まず就職をして、独立資金を貯める」と答えた。これだけ 就職状況が厳しい中で、就職が人生のスタートと設定している。もし、就職 できなかったらどうするのか。絶望するのか。就職が厳しいのならば、就職 しない選択肢も考えておくべきである。 それと、普通の会社に就職して数年でお金が貯まるわけがない。生活するの がいっぱいであり、欲しいものも沢山ある。おそらく、ローンで買物をする だろうし、休暇には旅行にも行きたいだろう。それでどうやって貯金するの だろうか。 それに、ほぼ全員が事業資金の調達という発想を全く持っていないのだ。株 式会社の仕組みや投資家はリターンを求めるという当然のことが分かってい ない。「スポンサーを見つける」というフレーズが頻繁に出てくる。世界の どこかに、自分の才能を見いだし、お金を出してくれると思っているのだ。 しかも、リターンを求めず。そんな馬鹿な・・・。 給料の中から貯金して、住宅ローンの頭金にするというようなサラリーマン 的な発想が染みついている。おそらく、誰も「資本主義とは」「会社設立と は」「資金調達とは」「株式上場とは」といったことを教えなかったのだろ う。 独立するといって、それほど大きなことを望んでいくわけではない。「店を 一軒持ちたい」「小さなアパレルを経営して、業界から注目されたい」「東 京コレクションに出たい」等々。漠然とした希望はあるものの、誰も具体的 な年収のビジョンがない。「一体、いくらぐらい年収が欲しいの?」と聞い ても分からない。勿論、その年収を得るためには、どの程度の会社の売上が 必要なのかも分かっていない。ファッションショーの経費も全く分からない。 年二回のファッションショーを開催するには、いくらぐらい掛かって、その 利益を売るためには、どれぐらいの売上が必要なのか、見当もついていない。 それでいて、プライベートな生活では、「世界中を旅行したい」「豪華客船 に乗りたい」「子供は二人欲しい」「幸せな家庭を築きたい」と来る。そこ でも、どの程度の収入が必要なのかが分かっていない。豪華客船に乗るよう な人種は、給料ではなく、株式や不動産の資産からの収入を得ているという イメージさえも持っていない。勿論、資産を何億持てば、そのようなライフ スタイルを送れるかも分からないのだ。 それなのにそれなのに「世界の困っている子供たちを助けたい」「身体の不 自由なお年寄りの役に立ちたい」「黒柳徹子のようにユニセフの仕事がした い」と言うのだ。ああ、涙。自分が自立できないのに、どうやって困った子 供を助けるのだ。お年寄りが頑張っているから、自分たちの就職の枠がない ことになぜ気がつかないのだ。日本ほど、高齢者に富が集中している国もな いのに。 あまりにも幼稚で無垢で経済観念のない若者達。これで中国に勝てるのか? 執筆担当: 有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ ) ( http://j-fashion.cocolog-nifty.com/ ) 代表 坂口昌章 文化服装学院客員教授 ジャパンクリエーション・総合コーディネーター 文化女子大学特別講義講師 他歴任 |
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