234,グローバル産業への脱皮が求められるアパレル産業 04/06/04
みなさん、こんにちは。坂口昌章です。 =================================== ◆グローバル産業への脱皮が求められるアパレル産業 〜商社への生産丸投げの次に来る問題点と展望〜 【4.商社への丸投げを新たなコラボレーションに高める】 本来、衣服とはそれぞれの国や民族が固有の文化として維持してきたもので ある。それがグローバル経済の中で文化の一元化も進んでいると見るべきだ ろう。 日本の繊維産業も世界市場を対象にした輸出で成長した。しかし、日米繊維 交渉決裂、円高、低コストの新興工業国の台頭という状況の中で輸出産業と しての繊維産業は低迷し、高度経済成長をなし遂げた日本市場を対象にして きた内需型のアパレル業界や流通業界がリーダーシップを取るに至った。そ して更に、欧米の一流ブランドの日本市場への本格参入、中国製品の輸入増 加という新たな状況を迎えているのである。 同時に、中国を中心にアジア市場が成長を遂げ、高額品、ブランド商品の需 要が増えてきている。中国は生産基地としてだけでなく、新たな市場として 注目されている。 日本への評価を変化を遂げている。物真似ばかりをしていると欧米に言われ 続けてきた日本ではあるが、品質の高さ、デザインの良さ、独特のカワイイ 文化等が日本の独自性として次第に評価されるようになっている。 こうした状況は、国内市場だけを対象にしてきたアパレル産業や流通産業に 対し、グローバル市場、特にアジア市場に対応する新たな産業としての脱皮 を促しているとは言えないだろうか。 生産管理業務を商社に丸投げすることをマイナスに捉えれば、日本のアパレ ル企業は国際競争力を失っていると判断せざるを得ない。しかし、これをプ ラスに捉え、日本固有のコンテンツをファッション商品に活かすアパレル企 業と、国際的な生産オペレーションを担当する商社というコラボレーション によりグローバルマーケティングを展開するという理解に立つことも可能だ。 【5.日本独自のファッションマーケティング戦略を】 グローバルマーケティングという視点では、独自性が最大のポイントになる。 アメリカの既製服産業、ヨーロッパのデザインを取り入れることで成長して きた日本のアパレル企業だが、今後は欧米にはない独自性を身につけなけれ ばならない。欧米に近づくだけでは、最終的に欧米との競争には勝てないか らだ。 欧米のファッションビジネスは年2回のシーズンを基本にしているのに対し、 日本のアパレル企業は更にシーズンを細分化して対応している。こうしたき め細かい季節感をマーケティング戦略としてアピールすることも考えなけれ ばならない。QR生産と合わせれば、欧米にも追随できないSCMが完成す るだろう。 日本独自のコンテンツを活かしたブランド開発も望まれる。日本独自のコン テンツとは伝統工芸やきものの世界だけではない。日本独自のポップカルチ ャー、アニメ、マンガ、ゲーム、エンターテイメント等も含まれる。こうし た異業種、異分野とのコラボレーションにより、欧米には存在しないテーマ のブランド開発を行うのも有効だろう。 日本のファッション市場の特徴の一つは、目まぐるしい流行の変化だが、こ れもプラスに捉えることができる。最も情報化が進んだファッション市場で あり、様々な情報メディアと連携することで、独自の動きを創り出すことが できるのだ。 ファッションビジネスの競争は異文化間競争である。アパレル産業が日本独 自の文化を活かした産業になるのか、それとも欧米のコピーにとどまり価格 競争だけに走るのか。中国を巻き込んだ新たな展開の中で、日本のアパレル 企業のグローバルマーケティング戦略に期待したい。 執筆担当: 有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ ) ( http://j-fashion.cocolog-nifty.com/ ) 代表 坂口昌章 文化服装学院客員教授 ジャパンクリエーション・総合コーディネーター 文化女子大学特別講義講師 他歴任 |
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