228,景気回復時期に何をするべきか?

04/04/09

みなさん、こんにちは。坂口昌章です。
 
皆さんは、景気回復についてどう感じているでしょうか。私は今年は経済が
動くと見ています。中国があれだけ大きく動いているのに、隣組の我々が地
味にしているわけにはいきません。嫌でも、刺激され、影響を受けるはずで
す。

どうせ影響を受けるのならば、消極的な影響ではなく、自ら積極的に影響を
コントロールしようと考えています。地味にしていてはいけません。派手に
いきましょう・・なんて言うと、また批判されるかもしれませんが・・・。


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◆景気回復時期に何をするべきか?

ようやく景気快復の気配が濃厚になってきた。もちろん、かつてのように横
並びの好景気が来るわけではない。現在、時代の波に乗り遅れているところ
が、業績を回復することも難しいだろう。それでも確実に良い方向に向いて
きたという実感がある。

第一には、中国が経済成長を続け、リッチな市場が生まれたこと。こうした
リッチ層は中国生産の廉価商品を好まない。むしろ、欧米や日本の高級品を
欲している。それも、デジタル家電に代表される知識集約型の製造業が生み
出す高付加価値製品である。

こうした知識集約型製造業は、人件費の安い国にリッチするよりも、知的所
有権を守り、市場に近いところで生産することのメリットを感じるようにな
っている。人件費に左右される労働集約型製造業は、最終的に価格競争に巻
き込まれ、利益を確保できないことが多いことも分かってきた。独自のビジ
ネスモデルを展開していたユニクロでさえ、量販店の猛烈な追い上げを受け
ている。

元来、日本と中国の製造業を公平に比較できれば、このように一方的に中国
シフトが進むこともなかっただろう。製造業の現場や技術の分析ができず、
また、日本の高度な技術を活かす商品企画やマーケティングができない素人
のバイヤーや商社マンが増えた結果、何が何でも中国生産が儲かるという安
易な発想に走ってしまった。同時に、国内製造業もそうした事実に対抗し、
自らの力をプレゼンテーションする力を持たなかった。自立していない下請
け的な事業モデルが多かったことも自らを守れなかった要因である。

しかし、国内製造業も中国の生産機能を直視し、中国の脅威ばかりでなく、
互いの強みを活かした連携を取ることにより回復を見せている。むしろ、今
後は卸売業や小売業が中国との競合に直面する可能性が高い。

日本の消費者もバブル経済の浮かれた消費を反省する時期を脱しつつある。
最早、終身雇用、年功序列給制度は事実上崩壊し、貧富の格差も開きつつあ
るが、実力主義の社会ではそれが当然なのだという世論が形成されつつある
のを感じる。成功者はリッチなライフスタイルを送るのが当然であり、悪い
ことではないという共通意識が出てきているのだ。最近では、それなりのリ
ッチ層が高級旅館、高級料亭、高級レストラン、高級ブランドを支持するの
は当然だという雰囲気がある。大人の生活を演出する雑誌も増えてきた。人
生の成功者が贅沢をするのは当然の報酬という理解である。

バブル崩壊後でも、多くの消費者は預金を持っていた。ただ、使い道がなか
っただけだ。高い商品の買物や華やかなパーティーを開くのを自粛していた
に過ぎない。その自粛ムードに乗って安売り商法が急成長したのだが、それ
もそろそろ限界に近づいている。

さて、景気回復局面には、どのように行動するべきだろうか。まず、自分の
頭の中から貧乏性を追い出さなければならない。いかに安く作るかではなく、
いかに高く売れるようにするかを考えなければならない。お金を使うことは
悪ではなく、善であるという発想を持たなければならない。何でも自分だけ
でやるのではなく、アウトソーシングを活用したり、コラボレーションを進
めなければならない。アジアンリッチ層を理解するためには、アジアンリッ
チ的なライフスタイルを体験しなければならない。

そして、物質的な消費ではなく、精神的な満足を促すビジネスを展開すべき
である。ファッションとは本来そういうものではないだろうか。

執筆担当:
有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ )
代表 坂口昌章
文化服装学院客員教授
ジャパンクリエーション・総合コーディネーター
文化女子大学特別講義講師 他歴任