227,香港城と日本城

04/04/02

みなさん、こんにちは。坂口昌章です。
 
香港人はやはりCEPAで動きだしています。中小企業お親父さんたちが広
東省で小売店を経営し始めたというニュースです。いいなぁ、香港はチャン
スがあって・・・。
 
また、CEPAにより、銀行や物流企業が本格的に中国進出を開始しており、
次第にビジネスの環境は整いつつあります。

しかし、完全には整わないこの半熟のゆで卵のような状態こそ、中小企業の
チャンスです。完全にビジネス環境が整ってしまえば、大手企業の独壇場に
なってしまうでしょう。

中国ビジネスは体当たりしながら自分の頭脳と身体で覚えていくしかありま
せん。ほんの一年前には中国についてもど素人だった私ですが、今では結構
詳しい方の部類に入っていると思います。今からでも遅くはありません。あ
なたも中国を体験してみませんか?


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◆香港城と日本城

2004年から中国と香港との間でCEPA(経済貿易緊密化協定)が結ば
れた。これにより、香港人は広東省において個人所有の小売会社の設立が認
められ、300平米までの店舗を持つことが許された。同時に、香港商品の
輸出についてはゼロ関税になった。

そのため、香港人が広東省で出店する例が増えており、香港の店だけを集積
する「香港城」も次々とオープンしているという。最初は、10平米足らず
の小さな店を借り、ハンドキャリーで商品を持ち込み、販売しているが、そ
れでも、半年あれば初期投資は回収できるとのこと。他に本業のある人がサ
イドビジネスで小売店を出す例も多いそうだ。

日本も韓国、台湾、中国、ASEAN諸国との間でFTA(自由貿易協定)
が締結されれば、こうした起業家が増えると思うのだが・・・。

中国の流通開放が進めば、日本も香港のような商売ができるのではないか、
と期待している向きもあろうが、そうはいかない。香港であっても上記の措
置は広東省だけに許可されているものであり、他の地域に小売店を出すとき
には、申請前3年間の年平均売上が1億米ドル以上、前年の資産が1千万米
ドル以上、資本金が6百万人民元以上という条件がついている。おそらく、
中国の流通開放というのは、この程度の条件つきであり、日本の中小企業が
自由に小売市場に参入することはできないだろう。

その一方で、上海等の大都市では「日本城」構想が進んでいる。中国のファ
ッション市場は、欧米の一流ブランドと地元百貨店の中価格市場、そして一
般の市場等の低価格市場に三分されている。経済成長に伴い大金持ちが増え
ているのは確かだが、それでも欧米の一流ブランドを消費する人はほんの一
握りである。むしろボリュームとしては、既存の中国国内アパレルよりも一
格上のベターゾーンが望まれている。そのニーズに合うのが日本製品であり、
日本製品を集積する「日本城」を開設すれば間違いなく売れるだろうという
のが、現地流通企業の見通しなのだ。

しかし、前述したように、日本企業が中国で卸売企業や小売企業を独資で設
立するのは困難である。また、独資で設立できたとしても、最終的に中国人
の雇用や行政との交渉が必要なことは変わらない。

日本製品の輸出にも関税がかかる。香港人のようにハンドキャリーで持ち込
むという訳にもいかない。

それでは全然可能性がないのかというとそうではない。中国人が会社を設立
するのは簡単だし、卸売業でも小売業でも許可が取れる。つまり、信頼出来
る中国企業と提携するか、信頼できる中国人に社長になってもらい会社を設
立すればいいのだ。

中国の百貨店やショッピングセンターは基本的に場所貸し業であり、日本の
小売業のように商品を買い取ってくれるわけではない。平米あたりの日割り
家賃か、売上歩合を管理料として支払うケースが多い。したがってアパレル
企業は基本的にショップ展開を行っている。卸売ビル等も存在するが、ほと
んどが地本の中小零細の専門店が相手であり、価格水準が恐ろしく低く、普
通の日本の製造業者では対応が困難だろう。

このように、様々な課題はあるものの、今なら上海の一等地に出店するチャ
ンスも多い。大手企業でなくても、日本で名前が売れていなくても、日本ブ
ランド、日本製品というだけで差別化の対象になる。制度が整ったあとでは
大手企業が売場を独占するに違いない。

執筆担当:
有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ )
代表 坂口昌章
文化服装学院客員教授
ジャパンクリエーション・総合コーディネーター
文化女子大学特別講義講師 他歴任