225,独資か?合弁か? 04/03/19
みなさん、こんにちは。坂口昌章です。 =================================== ◆独資か?合弁か? かつて中国で生産するには、自分で会社を設立し工場を建設する必要があっ た。その会社も中国企業との合弁しか認可されなかった。しかし、合弁相手 の国営企業等は市場原理に慣れておらず、日本企業の常識が通用しない例も 多かった。行政機関に介入されたり、雇用問題や法律の問題についても当時 の合弁企業では相当に苦労したようだ。最終的に採算割れとなり撤退したく ても、撤退が董事会(日本で言う役員会)で認可されず、結局、機械設備等 を全て置いたまま日本人だけが撤退した例も多いと聞く。 こうしたことから、独資企業の設立が認められるようになると、製造メーカ ーは次々と独資企業を設立していった。独資の方が日本側の品質管理や繊細 管理を徹底させるにも都合が良かったのである。しかし、中国で生産して、 日本に輸出するというビジネスは相手が日本企業である。中国市場に進出す るための企業設立とは根本的に条件が異なっている。 私は中国の市場進出を考える時には、「日本と中国」を「アメリカと日本」 に置き換えて考えることにしている。もしアメリカの企業が日本の人件費の 安さに注目して、アメリカ向けの商品を作る工場を日本に建設するとしたら、 アメリカ方式を貫いてもあまり失敗しないだろう。しかし、アメリカのメー カーが日本市場に参入する場合、日本市場を理解していない企業がいきなり 進出して上手くいくだろうか。トイザラスは、ウォルマートは、GAPはど うだったろうか。体型も嗜好も異なる日本市場にアメリカのアパレル企業が 単独で進出して成算はあるのだろうか。 日本と中国の関係も同様である。日本向けの製造を中国で行うのなら問題は ないが、中国市場を、中国の業者、中国の消費者を相手にビジネスをする場 合、中国を理解していない日本企業が単独でできるのだろうか、ということ である。 日本人の感覚としても、日本国内の商売については、できるならば外国企業、 外国人は遠慮願いたいと思うのではないだろうか。特に、外資上陸によって、 自分のビジネスが浸食される場合は尚更である。まぁ、遠慮深く謙虚にして いるのであれば、少しは商機を与えてやってもいい、というところだろう。 もちろん、これはあくまで感覚の話であり、法律の話ではない。しかし、市 場は感情で動く。 それでも、日本と中国をつなぐ商売を日本人か行うのには正当性がある。し かし、中国国内で商品を調達し、中国国内で販売するという商売に、日本人 が係わる正当性は希薄だろう。したがって、日本企業、日本人が中国市場に 進出する場合も、謙虚に商売をやらせていただくという姿勢が必要である。 それには、日中の合弁企業、合作企業という形態を再評価すべきだ。そして、 地域社会に根付いている人脈や信用を活用させていただき、中国の人に利益 を公平に配分し、我々日本人も商売をさせていただくのである。 そもそも他人は信用しない。信用しない人とは商売をしないというのが中国 の原則である。しかも日本人は基本的に中国では嫌な存在なのだ。その嫌な 日本人があまり威張って商売をすれば、反感を招くのも当然だろう。 それでも中国市場は日本企業や日本の製品、日本人を求めている。それは、 日本のノウハウが必要であり、そのノウハウを活用することで、中国企業や 中国人が利益を享受できると考えているからだ。利益の配分のないところに 信頼はない。共通の利益を配分するという発想が持てなければ、中国市場進 出での成功は困難だろう。 執筆担当: 有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ ) 代表 坂口昌章 文化服装学院客員教授 ジャパンクリエーション・総合コーディネーター 文化女子大学特別講義講師 他歴任 |
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