214,新年明けましておめでとうございます。 04/01/02
新年明けましておめでとうございます。 新しい業態を考える時に、ITの活用は欠かせません。というよりも、新し いITやそれにより得られる情報を活用したビジネスモデルを構築しない限 り、競争力を持ちえません。繊維ファッションの流通が変革しているのも、 情報化が大きな影響を与えています。(私は国際化の進展も情報化進展の一 環と考えています) 縫製工場やテキスタイルメーカーが、マーチャンダイザー、デザイナー、営 業担当者を雇ったとしても、それは旧来のアパレル企業をなぞっているだけ であり、競争力にはなりえないのです。旧来のアパレル企業や問屋を乗り越 えない限り、成功することはありません。下請け企業だけでなく、現在自立 していると思われている企業も、新しい時代に対応しなければ生き残れませ ん。 もう一つの今年の大きなテーマは「中国市場進出」です。中国進出が進むこ とで、中国と日本との間の摩擦がますます目立つでしょう。日本人のコミュ ニケーション能力の欠如からくるビジネス上の問題も去年以上に生じるはず です。民間企業であっても、その行動が国際問題になる可能性があることを 常に念頭に置かなければなりません。海外でのビジネスはビジネスだけでは ないということです。 中国市場への進出にあたり、香港、台湾、シンガポールの華僑とのパートナ ーシップも重要になります。中国市場の開放といっても、いきなり日本のよ うに市場開放が進むわけではありません。多くの非関税障壁は残るでしょう し、市場経済に対応した制度が整備れるのも時間がかかるはずです。日本人 が直接進出するケースと華僑との連携による進出、あるいは、販売機能のア ウトソーシングも含めて考える必要があります。中国本土進出の前に、香港、 台湾、シンガポール等の企業や経営者、専門家との連携を深めておくことは、 リスクの分散にもつながるはずです。 繊維ファッション産業に関わらず、あるいは日本国内に関わらず大きな問題 になるのが「若年失業者」の問題です。私が代表を務めるNPO法人ファッ ション・リエゾン・ジャパンも、今年はこの問題を活動目標の中心に掲げた いと考えています。日本ではリストラによる解雇ばかりが問題視されていま すが、採用減による就職浪人、若年失業者の問題は、社会や企業の将来に重 大な影響を与えます。歴史をみても、既得権の保護ばかりを考え、若い世代 にチャンスを与えない国家や企業は、必ず崩壊しています。この問題は先進 国だけでなく、発展途上国にも共通しています。グローバル市場経済、生産 効率追求が世界に与えた負の遺産です。海外とも連携しながら、問題の本質 を明かにし、それに対して、我々がどんな行動を取ることが可能なのか、を 考え、実行したいと思います。 若年失業者問題の解決策の一つと思われるのが、人材育成、教育問題です。 就職を目的とする教育だけでなく、起業を睨んだ教育が必要です。企業の自 立と共に個人の自立も大切なテーマでしょう。また、企業内の人材に対して も、新しい時代に対応できる人材育成が必要です。中国の大手企業も非常に 人材育成には力を入れています。日本において教育は社会問題ですが、別の 側面からみれば大きなビジネスチャンスでもあります。 教育を国や行政に依存するだけでいいのか、という基本的な問題もまた考え なければなりません。終身雇用制度の中で行われていた企業内教育システム は、崩壊しようとしています。しかし、教育機関はその急激な変化に対応で きません。企業側は人材育成システムを放棄するだけで良いのでしょうか。 社内の人材だけでなく、業界を支える人材の育成も考えなければなりません。 イタリアのベネトン社のように、一企業が教育機関を設立、運営できるよう な税制や法律の改正も必要でしょう。 日本の制度改革が遅れれば、人材や企業は海外に流出します。税制や法的整 備もまた、グローバルな競争の対象なのです。 私個人の仕事もまた、業態転換が求められています。国際化も求められてい ます。場合によっては、仕事の内容を大幅に転換するかもしれません。新し い分野にチャレンジすることに臆さずに勇気を持って進んでいきたいと思い ます。 今年もヨロシク! 執筆担当: 有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ ) 代表 坂口昌章 文化服装学院客員教授 ジャパンクリエーション・総合コーディネーター 文化女子大学特別講義講師 他歴任 |
|
|