203,輸出可能な日本オリジナルのアパレルブランドを 03/10/17
んにちは、坂口昌章です。 ◆輸出可能な日本オリジナルのアパレルブランドを 2003年10月8日付日本繊維新聞は「中国蘇州市市長楊衛澤氏は『メイ ドイン蘇州の日本製品を世界に発信したい』という考え方を示した」と紹介 した。 「メイドイン蘇州の日本製品」は、「メイドイン中国の日本製品」と置き換 えることも可能である。私も、日本の製造業の可能性として、中国の生産機 能を駆使した世界市場戦略を構想している。期せずして、蘇州の市長さんと 同じ発想を持っていたわけだ。 日本オリジナルのブランド、日本オリジナルの製品とは、日本の伝統や文化 を背景とした意匠、配色を駆使したものだ。と言っても、きものの古典柄だ けを指すわけではない。現代的なデザインにも日本的も要素を持つものは多 いし、ストリートファッションの中にも日本的な要素が多く見られる。ヨー ロッパ人が日本的と感じるものの中には、日本人の気がつかないものもある。 日本オリジナルのブランドを構築するには、何が日本的で何が西欧的かを明 確に区別しなければならない。また、どのようにデザインをアレンジすれば 日本的になり、どうすれば西欧的になるのか。どうすればヤング向けになり、 どうすればミセス向けになるのかを論理的に理解しなければならないのであ る。 西欧のコピーを日本に紹介する。あるいは、西欧のコピーをアレンジして日 本市場で販売するというビジネスモデルは、既に過去のものとなりつつある。 コピー商品がビジネスとして成立するのは、日本のコストが西欧諸国よりも 低かったからに他ならない。現在では、イタリア製品のコピーを日本で生産 するのならば、イタリアから輸入した方が安いのである。 今後求められるのは、反対に日本の本物を創造し、コピーされないような商 品作りを行い、世界市場に輸出するというビジネスモデルである。日本のコ ストが高いのならば、中国生産を活用すればいい。問題はオリジナリティだ。 商社やその傘下の企画会社の中には、日本のテキスタイルの見本を韓国、台 湾、中国に持ち込み、コピー生産させ、現地調達に対応させているというケ ースも見られる。何とも貧しいビジネスモデルであり、日本の資産を食いつ ぶしているに過ぎない。コピー生産させるのであれば、日本の機屋と海外の 機屋を企画ロイヤリティ契約を結ばせ、技術指導を含めた正式にリプロダク ションのビジネスを展開すればいい。そうすれば、産地の機屋も潤い、商品 開発、企画開発が可能になる。それをしないで、わずかなコストを惜しむこ とで、日本のテキスタイル産地を食いつぶすような真似は止めてほしい。ビ ジネスという視点で見ても、企画ロイヤリティビジネスを推進した方が必ず 大きなビジネスに発展するはずである。 これまで、大多数のアパレル企業は、日本の伝統や文化に向き合ったことが ない。テキスタイルの企画担当者も西欧のトレンドには敏感だが、内なる伝 統や文化には目が向いていないのだ。これからは業界を上げて、日本の再発 見を行う必要がある。そして、日本のオリジナルブランドを立ち上げるのだ。 日本の美意識、アジアの美意識に基づくコレクションを開けないだろうか。 そこから西欧とは異なるトレンドを世界に発信できないだろうか。日本がま ず西欧のコピーから脱し、独自のファッションを発信することは、アジア諸 国にも大きな影響を与えるだろう。西欧文化一辺倒ではない、多様な文化を 楽しむ市場として日本は最も未来的ではないか。 /─────────────────────────────────// 執筆担当: 有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ ) 代表 坂口昌章 文化服装学院客員教授 ジャパンクリエーション・総合コーディネーター 文化女子大学特別講義講師 他歴任 |
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