163,アジアスケールの情報コンテンツ、情報メディア、情報流通が重要になる 2002/10/11
こんにちは。坂口昌章です。 ◆アジアスケールの情報コンテンツ、情報メディア、情報流通が重要になる アメリカのITバブルも崩壊し、インターネット関連ビジネスは儲からない と考えている人も多い。確かに、インターネットそのもののビジネスは難し いかもしれないが、ビジネスでインターネットを活用するという意味では、 ようやくスタートラインに着いた段階と言える。 というのも、実際のビジネスがグローバル化しており、インターネットは必 要不可欠な道具になっているからである。 これまでのインターネット関連ビジネスの多くは、ドメスティックなものだ った。オンラインショッピングにしても、国内での商取引が中心であり、海 外との取引を視野に入れたものは少ない。また、インターネットを使った情 報サービスにしても、国内のコンテンツを国内の生活者に提供するというも のだった。インターネットという媒体は世界を繋いでいるが、使用する人間 の方が国内に限定された業務しか展開していなかったのである。 これまで何度か繰り返してきたように、ファッションビジネスは国内スケー ルからアジアスケールに拡大した。即ち、我々はアジアスケールのビジネス 情報を入手しなければならないし、アジアスケールの人を対象にした情報発 信を行わなければならない。同時に、アジアスケールの情報媒体を持たなけ ればならない。こうしたアジアスケールの情報ニーズは実際のビジネスに則 したものであり、ITバブルのように実態のないものではないのだ。 例えば、繊研新聞や日本繊維新聞などの業界紙も、本来ならば、アジアスケ ールの取材を行い、アジアスケールの情報媒体になる必要がある。しかし現 状では、圧倒的に日本発の情報が多く掲載されており、アジアスケールの取 材は少ない。勿論、業界新聞社の事情も分かるが、顧客ニーズから考えれば、 あまりにも国内情報偏重であり、アジアスケールのファッションビジネスを カバーしているとは言えない。 日本人が着用しているアパレル製品の7割が輸入品だとすれば、製造業関連 のニュースの7割は海外からの情報コンテンツが紹介されるべきだろう。ま た、今後中国市場が重要になれば、中国市場に関する情報を発信しなければ ならない。 海外ビジネスに関する情報は商社が握っていると考える人も多いが、実際に は、商社傘下の企画会社、代理商や代理店、嘱託社員等が個別の情報を握っ ているに過ぎず、商社が情報を網羅しているわけではない。特に、中国のよ うに発展途上の段階では、情報そのものも常に変化しており、どの商社も中 国の全貌を理解することなど不可能である。また、商社とはビジネスで利益 を上がればいいのであり、情報を網羅することに興味を持っていくわけでは ないのである。従って、商社といえども、断片的な情報を入手しているに過 ぎないのである。 だからこそ、アジア生産基地あるいはアジア市場の情報が必要なのであり、 情報を受発信し、伝達するためのインターネットというメディアを活用する 必要があるのだ。 ビジネスのノウハウとは、多くの場合、情報である。アジアスケールのファ ッションビジネスを展開する場合も、例えば優秀な縫製工場やニッターの情 報を把握しているだけでビジネスにつながる可能性は高い。あるいは、中国 において多店舗展開するための手続きや専門家のリストという情報が入手で きれば、それもまたビジネスチャンスにつながるだろう。勿論、逆のケース もある。日本市場への参入を考えている中国の企業に対し、日本の流通シス テムや市場の特性という情報を提供することもビジネスにつながるはずであ る。表現を変えれば、アジアスケールのビジネス情報はそれ自体がビジネス になるとも言えるだろう。 情報をビジネスにするには、まず情報収集が必要だ。日本のように情報があ ふれている国であれば、公開されている情報だけでも、整理編集すればかな りの情報分析が可能である。アジアにおいても公開情報を整理することは必 要だが、加えて個人的な情報、インフォーマルな情報が重要になる。それに は、まず人的ネットワークを構築しなければならない。アジアスケールでニ ュービジネスを行おうとする者は、今後、継続的にアジアスケールの人的ネ ットワークの構築に努力するべきである。 それには、自らが情報を発信しなければならない。情報とは、発信している ところに、集中するものだからだ。あるいは、自らがアジアスケールで動く ことである。すぐに、ビジネスにはならなくても、定期的にアジアの国々を 訪れ、その変化を肌で感じ取る努力をするべきだろう。 次に、アジアスケールの情報媒体を構築することである。これは、インター ネットを活用するのが最も効果的である。WEBサイト上で、あるいはメー ルマガジン等を使って情報を伝達する。この時に課題となるのが翻訳である。 アジアは多様であり、それぞれの言語を持っている。それぞれの地域情報を それぞれの言語に翻訳し、紹介することが必要になる。しかし、これもイン ターネットを活用することで、これまでよりも安価に翻訳作業ができるだろ う。これもまた、ビジネスにつながるのである。 最後に必要なのは、編集機能だ。情報を取捨選択し、格付けを行い、編集し てから情報発信する。それにより、情報は確実なものになり、対価を支払う 対象になるのである。 執筆担当: 有限会社シナジープランニング( http://www.j-fashion.net/ ) 代表 坂口昌章 文化服装学院客員教授 ジャパンクリエーション・総合コーディネーター 文化女子大学特別講義講師 他歴任 **************************************************************** 【アパレルウェブ通信・アパレルウェブへのお問い合わせ】 発行:株式会社アパレルウェブ 東京都中央区日本橋小舟町13-10 儘田ビル5F Tel:03-5614-8542 Fax:5614-8541 magazine@apparel-web.com アパレルウェブ: http://www.apparel-web.com 日本繊維新聞: http://www.nissenmedia.co.jp **************************************************************** |
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