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076,国際分業から国際協業へ
2001/05/22
4月17日付けのリサーチニュースの「マーケット・ナウ」には、またまた
国際協業について書きました。最近、「ジャパンの坂口さんから、アジアの坂
口さんになっているね」と皮肉を言われるのですが、真剣に、国内製造業の生
き残りを考えた結果がアジア・ネットワークです。輸入規制は緊急避難であり、
それだけでは何の解決にもなりません。無駄な労力を使うより、未来につなが
るビジョンを持って欲しいと思うのですが、なかなかです。
明治維新前夜の「攘夷か開国か」という問題は、現在の何千倍かのエネル
ギーがあふれていたのでしょうね。当時の日本の開国の選択は凄いことだと思
います。
マーケット・ナウ(リサーチニュース2001年4月17日付)
■国際分業から国際協業へ■
有限会社シナジープランニング 坂口昌章
日本の製造業の空洞化が問題になっているが、既に、日本の国内需要を国内
の製造業は満たすことができない。テキスタイルは、付加価値の高い商品ばか
りを追求しており、プレーンなものがない。縫製は、多品種少量生産を目指し
たために、大量の注文を短期間で仕上げるパワーがない。 情報化時代の進展
は、情報の集中と分散の両方の現象を引き起こしている。十人十色の需要の一
方で、一つの商品だけが集中して売れる「一人勝ち需要」も見られるのだ。
こうした需要に応えるには、海外生産が欠かせない。
一方で、中国を含むアジア市場では、リッチ市場が育成されつつあり、「メ
イド・イン・ジャパンの商品」が欠かせないのだ。手の込んだ高付加価値の商
品は、日本で生産するのが適しており、それらの商品は積極的に輸出すべきで
ある。
このように、どこで生産したテキスタイルをどこで加工し、どこの市場で販
売するかは、様々な組み合わせが考えられ、決して、中国の一人勝ちという単
純な図式ではない。
これまでは、日本と韓国、日本と中国の同業者は競争相手だったが、同業者
こそ協調しながら、互いに足りない機能を補い合うべきである。むしろ警戒す
べきは、同業者ではなく取引相手である。同業者ならば、機能を補い合うこと
ができるが、仕入れ先や販売先は、その機能を一方的に移転してしまうからだ。
日本の製造業者は、輸入増加ばかりに目を向けているが、輸入は市場原理で
増えているのであり、その動きを推進しているのは、製造業者ではなく流通業
者等である。いくら中国の製造業者に圧力をかけても、輸入は減らない。中国
が駄目なら、他の国から輸入するだろうし、様々な規制逃れを考えるに違いな
い。輸入を減らすには、内外価格差を解消するしか方法はないのである。
国内製造業者は、輸入反対に動くことで、海外の製造業者との協業を自ら妨
げている。逆に、国内製造業者が輸入に反対することで、流通業者は海外の製
造御者との連帯を強めている。
国内製造業者が本気で生き残りを考えるならば、自ら海外に出掛け、現地の
製造業者と対話を持つことである。そして互いの機能を確認し、協業の道を探
ることである。敵対からは何も生まれない。協調から道は開けるのである。◆
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