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035,中国は、日本の国内産地を追いかけるのか?
2000/05/23
リサーチニュース(5月16日付)に連載しているマーケット・ナウに下記
のエッセイを寄稿しました。最近は、国内製造業の空洞化と、中国の驚異ばか
りが強調されていますが、中国は、日本の産地の後追いをしているように思え
てなりません。必ずしも、中国が順調に成長していくとも限らないのではない
でしょうか。むしろ、人件費や物価が上がるにつれ、日本と同様の構造的な問
題を抱えることになるでしょう。私は、むしろ、中国どのように連携して、グ
ローバルなファッションビジネスを構築するか、という発想が大切ではないか、
と考えています。
マーケット・ナウ(リサーチニュース5月16日付に寄稿)
「中国は、日本の国内産地を追いかけるのか?」
有限会社シナジープランニング 代表取締役 坂口昌章
国内製造業を守れ、というキャンペーンが全国的な広がりを見せている。そ
の一方で、中国のWTO加盟はほぼ確実となり、中国の「自動車を売って糸を
買う」という戦略も明確になってきた。中国は自動車の輸入に関しては譲歩す
るが、アパレル製品に関しては世界市場を制覇しよう、という国家的戦略を立
てているのだ。
ヨーロッパは、ISO(国際標準化機構)や各流通段階での消費者保証に
よって、合法的な非関税障壁を設けようとしている。アメリカはNAFTA
(北米自由貿易協定)を強化し、経済のブロック化を進めている。
その中で、日本だけが何の輸入障壁もなく、中国の生産力増大分の多くは日
本市場に向けられることは確実である。 さて、国内製造業の問題だが、全く
同様の問題が、中国でも起きることが予想される。国内製造業の問題は、過剰
な輸入だけではない。むしろ、流通コストのを増大、原価率の低下が重大な問
題である。アパレル製品の原価は、3割を切り、素材や縫製工賃の占める割合
は年々低下しているのである。
利益を上げている企業は、「ブランド」「ショップ」「広告宣伝」という情
報発信に投資し、情報価値を高めている企業である。中国が設備投資をすれば
するほど、工賃水準は下がっていくだろう。現在でもアイテムによっては過剰
供給であり、今後は慢性的な過剰供給に陥るに違いない。これは、日本国内の
製造業が歩んできた道である。
中国の生産力の増大は、一層の原価率の低下を招く。同時に、中国は自らの
経済発展のために人件費は高騰を続けるだろう。中国においても、製造業が構
造不況業種になることは十分に予想できることだ。
既に、中国はブランド戦略を模索している。中国オリジナルブランドを生み
出さない限り、中国は常にブランドホルダー企業の下請けに甘んじなければな
らないのだ。しかし、ブランドを生み出すことは容易ではない。製造業とは異
なるノウハウが必要である。
私は、ここに巨大なビジネスチャンスが存在すると考えている。日本の産地
が悩んでいることは、5年後の中国の悩みになる。我々は、中国がどのような
経緯で、どのような問題を抱え込むかを十分に予測できる。今後、中国は資本
だけではなく、知恵の参加を求めてくるに違いない。◆
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